書店に通う生活を始めてもう20年以上。
 新刊を買う時、表紙などにキズはないか、背表紙上部が折れていないか、あるいは書籍本体にダメージが入っていないかなどを相当観察しています。そのため、1冊買うのに最低でも5、6分は要しています。
 ところで、なんで「新刊(新品)」なのに表紙や書籍本体にキズなどがあるのか……。自身の経験も踏まえて思いついたこと、考えつくことなどを書いておきます。

◆表表紙、裏表紙にキズやスレがあるのはどうして?
※ここで書く「表表紙、裏表紙」とは、カバーの表面、裏面のことを指します。
・1冊の本の中で、部位として最も面積を占める箇所のため、最もキズ付きやすい部分になるのではと思います。
・キズは製本時にも、運搬中やシュリンク包装(立ち読み防止などを目的とした透明フィルムでの梱包のこと)にも簡単に付きます。
・また、本を選んでいる際に、爪の先などでもキズ付けてしまう可能性があります。
・落としたり何かにぶつけてもキズが入る可能性大。

<補足>
・今の本のカバーは光沢があり、表面がツルツルとしているものが多いため、少しのキズでも光の当たり具合では目立ちます。
・それを利用して、光源の近くに立って、本の表紙を角度を変えて見比べればキズの有無を確認することができます。
・「シュリンクそのもののキズか否か」を判別したい場合は、シュリンクを軽く指で摘みながら動かすことである程度は確認できます。

◆背表紙にキズやスレがあるのはどうして?
※「背表紙」とは、本の背面(本を立てて置いた時、タイトルや作者名、出版社名だけでほぼ占められる面)のことを指します。
・背表紙は、特に上部と下部にダメージが入りやすく、特に目立つ箇所は「上部」になります。
・カバーは「曲げられて」背表紙と成っている構造上、本同士の軽い接触でもダメージになる可能性が高いです。
・特に背表紙上部と下部は、書籍本体より若干浮いていることが多いため、ダメージになりやすいという意味ではかなり脆い箇所です。
・本の棚への入れ方や戻し方によってもキズが入ったり折れたりしやすく、落とすのは以ての外(角から床に落ちれば、恐らく折れ痕が付くはずです)。

<補足> ・古本でも、最もダメージが目立つのはこの背表紙側だと思います。
・立てて置かれた本の上に本を置く(重ねる)と、その重さにて後々ダメージになることが多いためです。
・背表紙の下部へのダメージは、本の「帯」にもダメージが入ることが多いためダブルパンチになりやすいです。

◆天にキズやスレがあるのはどうして?
※「天」とは、書籍本体の上面のことを指します。「日焼け、変色が最もしやすい面」と言えばわかりやすいでしょうか。
・書籍同士がぶつかったりするだけで、意外にも簡単にキズが入ります。
・軽く接触したままどちらかが左右に擦れたりすれば、スレ痕として残ります。
・製本時は、機械の調子から意図しないキズやスレが入ることがあるようです。
・また、新刊特有の「ページの間の新刊紹介チラシ」の入れ方次第ではキズに、あるいはページそのものの変形になる場合があります。
・上記でも書いた通り日焼けによる変色がないか、他の商品との見比べも大事です。

◆地にキズやスレがあるのはどうして?
※「地」は天の反対側、つまり本を立てておいた時に地面側になる部分のことを指します。
・考察内容は天と同じです。
・また、本棚に立てて置かれたようとした際に、乱暴に扱ったりすればダメージになります。

◆小口にキズやスレがあるのはどうして?
※「小口」とは、背表紙の反対側、つまり本を捲る側の面のことを指します。
・新刊の時からここにキズやスレが入ることは少ないですが、入るとしたら天、地と同じ理由です。
・天と地はシュリンク包装してもフィルムがかからないことが多いですが、小口はほぼ確実に包装されるため、その作業方法次第では逆にダメージになる可能性もあります。

<補足>
・古本の場合、小口に手垢などによる変色が見て取れる場合があるため、選ぶ時は注意(古本なので、これは仕方ない気もしますが)。

◆帯にキズやスレがあるのはどうして?
※「帯」とは、PRのためにキャッチコピーや有名人などの推薦文が書かれている短冊状の宣伝のことです。
・天、地と同じ理由+帯の付け方によってはキズ、スレになりやすいのではと見ています。
・キズ、スレとは少し違いますが、書籍同士がぶつかったことなどにより、その本の帯の色が本体に付着する可能性があります(たまに新刊でも汚れているのはそのため)。

 ……とまあ、いろいろ書いてもキリのないことかもしれません。本は紙なので、元々とてつもなく脆いのです。
 それでも私は気にしてしまうだろうし、なんならこの研究がちょっと好きにもなってきたので、これからもよく見て、よく悩んで買うことになるだろうと思っています。
 でも願わくば、新刊のキズやスレ、汚れがない時代が訪れますように。

[記録日:2025/12/21 | 更新日:2025/12/31]

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