実は『東方Project』シリーズ、かなり好きだったりします。
 中でも東方シリーズならではの音楽が大のお気に入りです。

 今回は、ゲーム曲とオリジナル曲が収録された『ZUN's Music Collection』を改めて聴き直した感想などを書いていきます。

蓬莱人形 ~ Dolls in Pseudo Paradise

▲ 蓬莱人形 ~ Dolls in Pseudo Paradise
「ZUN's Music Collection」の1枚目。いわゆる「旧作」のアレンジ曲がメイン。
 物静かな曲と激しい曲が交互に鳴る、まるで1つの歴史を一気に紐解こうとしているかのようなアルバムです。

♪ 蓬莱伝説(Track1)
「ようこそ、不思議な世界へ」……と誘われるかのようなイメージ。
 そして誘われるからには覚悟を持たねば、というイメージに変わっていきます。そこが素敵です。

♪ サーカスレヴァリエ(Track7)
 静かに始まり、思い出したかのように激しくなり、我に返ったかのように静かになる、それでいて格好良い。
 ヒトの感情もこの曲に近い……いや、ヒトの感情を表したのがこの曲なのか。

♪ 人形の森(Track8)
 果たしてどうやったらこの森を抜けられるのか、という気の焦りのような雰囲気も感じ取れます。
 でも、「まあいいか、もうしばらくこの森にいられるのだから」という安堵感も漂ってきます。
 実に不思議な曲。

♪ U.N.オーエンは彼女なのか?(Track11)
 ファンならば皆知っているはず。最近では、一部のプロ野球ファンにも知れ渡った曲です。
「ザ・ラスボス」感があり、さらに「負けたら負け以上に恐ろしいコト」が起こりそうな不気味さが怖いです。

蓮台野夜行 ~ Ghostly Field Club

▲ 蓮台野夜行 ~ Ghostly Field Club
 シリーズの中でも1番暗く寂しく切なく、それでいて冒険心もあり、意味もなくお墓参りに出かけたくる、そんなアルバム。
 この作品から、付属のブックレットに「秘封倶楽部」の宇佐見蓮子とメリー、2人の秘密のストーリーが展開されるようになります。

♪ 少女秘封倶楽部(Track2)
「よっしゃー、ちょいと秘密でも暴きに行くか!」ぐらいな活発さを感じます。
 他の曲が皆暗めなので、余計にそう思うのですが、しかし本当に、冒険に出かけたくなる曲調ではあります。

♪ 魔法少女十字軍(Track9)
 目の前に待ち望んでいたものがあるのに、なかなか手が届かないもどかしさがあります。
 曲の始まりの勇ましさは、この曲唯一のものと言ってもいいはずです。

夢違科学世紀 ~ Changeability of Strange Dream

▲ 夢違科学世紀 ~ Changeability of Strange Dream
 優雅さであったり不安さであったり格好良さだったり、それら要素が複雑に絡み合っているアルバム。
 個人的には、癖の強さで言ったらこのアルバムが1番だと思っています。

♪ 童祭 ~ Innocent Treasures(Track1)
 神々しさすら感じられる、「夜明け」の曲です。
 一時、この曲だけを聴いて必死にもがき、生きていた時期もあったなと思い出しました。

♪ 夢と現の境界(Track9)
 曲は始まっているはずのに、なかなか「本音を言おうとしない」感じさえしてくる。
 だからこそ、1分39秒過ぎからの「本音」に心奪われるのです。夢と現の境界、私も知りたくなった!

♪ 幽玄の槭樹 ~ Eternal Dream(Track11)
 終わりの曲。この「もうこの先に続きはないんだよ」と教えてくれる感じがたまらなく好きです。
 雨の音が本当に卑怯だ……(褒め言葉)。

卯酉東海道 ~ Retrospective 53 minutes

▲ 卯酉東海道 ~ Retrospective 53 minutes
 それまでのアルバムにはなかった明るい曲も、そこから儚くなっていく曲も収録されています。
 総じて、旅に出かけたくなる曲ばかりなのです。今回紹介する9枚の中で1番よく聴いています。

♪ ヒロシゲ36号 ~ Neo Super-Express(Track1)
 小旅行用曲その1。駅構内をイメージするサウンドから入る斬新さが大好きです。
 ふと我に返ったかのようにスローテンポ、ローテンポになるのがまた良い。旅ってそんな感じですし。

♪ 53ミニッツの青い海(Track2)
 小旅行用曲その2。暗いけども、静かだけども、沈み込みはせず、これもまた旅の楽しみ……みたいなイメージ。
 近場の人気のない海で独り聴いて、こっそり泣いたこともありましたねぇ(遠い目)。

♪ 最も澄みわたる空と海(Track11)
 小旅行用曲その3。「そろそろ暗くなるから一緒に帰ろよ」、個人的にはそんなイメージですね。
 暗くなってからする旅イメージは、『蓮台野夜行』や『鳥船遺跡』に収録されている曲の感じかなと思っています。

大空魔術 ~ Magical Astronomy

▲ 大空魔術 ~ Magical Astronomy
 全体的に力強く派手めな曲ばかり……かと思ったら、ふっと軽く大人しい曲にも出くわします。
 そのギャップが宇宙をイメージするのに一役買っているのでしょう。

♪ 天空のグリニッジ(Track2)
 カリスマ性に満ち溢れています。男前な(?)曲ではないでしょうか。
 ベースもずっと同じテンポでズンズンズンズン鳴っているのが面白いです。

♪ 東の国の眠らない夜(Track3)
 これもまた同じテンポでズンズンと。しかし原曲からしっかりアレンジが入り、夜っぽくなりました。
 2ループ目の少しスローになるところなんて特に。眠いのに眠らないなんてねー、それはそれで勿体無い。

♪ 車椅子の未来宇宙(Track4)
 最初はタイトルが気になっただけの曲だったことは覚えています。今は全てが気に入っています。
「なぜこういうタイトルなのか」ということをいろいろ調べ、よりその曲を気に入ることができるのも東方ならではと思います。

♪ ネクロファンタジア(Track9)
 曲から伝わるこの緊張感(プレッシャー)。相当力を入れてアレンジされたことが感じられます。
「U.N.オーエン」の時とはまた少し違う「正々堂々としたラスボス感」は、どこか威厳さえ覚えてしまいます。

鳥船遺跡 ~ Trojan Green Asteroid

▲ 鳥船遺跡 ~ Trojan Green Asteroid
『大空魔術』とは違い、スペーシーなのにやや暗い印象のある「和」のイメージの曲が目立ちます。
 イメージ通りに聴くならば、星空の下、誰も居ない境内にて、石造りの階段にも腰掛けながらかなーと。

♪ 衛星トリフネ(Track1)
 開幕1曲目からこんなに壮大でいいのかと心配になるぐらい。
 曲の出だしから、「ここはもう異空間なんだぞ」という感じが凄いです……!

♪ デザイアドライブ(Track3)
『東方神霊廟』の原曲も大好きで、このアレンジ版はより物語性を足した愉快な感じになっています。
 己の欲望のままに突き進んで、悲願達成が近づくに連れて、だんだん盛り上がってくるところは健在です。

♪ 天鳥船神社の結界(Track8)
 どこか遠くの最果ての地に取り残され、そこから覚悟を決め少しずつ歩き出すイメージ。わかりにくいですか?
 神社は身近にあるようで、しかし物凄く最果てな雰囲気もあります。わかりません? そしてやっぱりわかりにくい?
 何にせよ、終始格好良い曲です。

伊弉諾物質 ~ Neo-traditionalism of Japan.

▲ 伊弉諾物質 ~ Neo-traditionalism of Japan.
 タイトル、サブタイトルからもわかるとおり、「和」がテーマのアルバムです。
『卯酉東海道』も「和」テイスト。そしてどちらも小旅行に出かけた感じなので、どことなく雰囲気が似ています。

♪ 牛に引かれて善光寺参り(Track2)
 是非、善光寺にお越しくださいと言われているような、お寺なイメージ強し。
 そのことわざの通り、信仰に目覚めそうになる力強さもあります。

♪ ハートフェルトファンシー(Track3)
『東方地霊殿』の原曲から、より柔らかに、よりぼんやりどこかへ向かっていくイメージに。
 いわゆる「道中曲」が好きな私によっては嬉しいアレンジです。

♪ アガルタの風(Track5)
 ゲームにもほとんどないであろう、レアな(?)曲調ではないかと。
 大人しく、そして高貴なイメージ。個人的には「癒やしの曲」として受け取っています。

♪ イザナギオブジェクト(Track6)
 その神様の謎を解き明かそうとして、しかし結局は謎のままに終わったイメージ(ネタバレ?)。
 物々しさでいえば、音楽CDの曲の中では1番かも。

♪ 素敵な墓場で暮しましょ(Track10)
 墓場なのに、よくもまあこんなノリノリな感じにしちゃって……。
「いつか死ぬのだから楽しく」なのか、「死してなお、楽しく」なのか、どっちのイメージがよりしっくりくるかなー。

燕石博物誌 ~ Dr.Latency's Freak Report.

▲ 燕石博物誌 ~ Dr.Latency's Freak Report
 曲の「喜怒哀楽」をじっくり楽しむことができるアルバムではないかと思います。
 カバーの色使いが明るく、最初の1曲目も底なしに明るいのはちょっとした罠かもしれません。

♪ 須臾はプランクを超えて(Track5)
 ここ数年の中で、最も繰り返し聴いている曲です。
 これもまた珍しい、前半後半で曲のイメージがガラッと変わる不思議な感じ。
 最後のサビがまた心と涙腺を揺さぶるのです。

♪ 故郷の星が映る海(Track9)
『東方紺珠伝』の原曲から、「ゲームBGM」らしさを削って、さらに寂しい雰囲気に。
 短いですが、「ピュアヒューリーズ」とサブセットの曲なので、これ以上長かったら間延びした感じだったかもしれませんね。

♪ ピュアヒューリーズ ~ 心の在処(Track10)
 少し薄く、柔らかいにはなったけども、その分曲の強弱がより印象的になりました。
 最後は、曲の1部分をリフレインさせながらフェードアウトしていくニクい締め方をしています。

旧約酒場 ~ Dateless Bar “Old Adam”.

▲ 旧約酒場 ~ Dateless Bar "Old Adam".
 最初の2曲で「このアルバムはアルコールでできている!」、そう思わせてくれる感じが面白いです。
 通して聴けば決してアウトローでもない気がしますが、うち何曲かは今までにないぐらい挑戦的な感じを受けます。

♪ 大神神話伝(Track5)
 何か逆らってはいけない雰囲気です。「神話なのだから無下にもできんぞ」と、そんな感じも伝わってきます。
 でも、神々しいとはまたちょっと違う力強さであり、そのアピールの仕方に惚れました。

♪ 旧世界の冒険酒場(Track7)
 ループを重ねる連れて、音が低く、テンポが遅くなるところなんて、まるで酔っ払いじゃないですか。
 最後もプツッと終わる(力尽きる)感じなんて、まさに酔っ払いじゃないですかー。

♪ 魔界地方都市エソテリア(Track8)
 この変拍子がとても好きだったので、リアレンジされて本当によかった!
 金属楽器でキラキラチカチカな感じは、原曲の時とはまた違った「魔界地方都市」のイメージを頭の中に作り上げます。

七夕坂夢幻能 〜 Taboo Japan Disentanglement.

▲ 七夕坂夢幻能 〜 Taboo Japan Disentanglement.
 表紙と、その次に見た曲のラインナップを見て、これはどうやら只事じゃないねということを悟りました。
 不穏と哀愁の間を行ったり来たり。その辺もひっくるめて『蓮台野夜行』に似ているかもしれません。

♪ 禁断の扉の向こうは、この世かあの世か(Track3)
 不気味なんだけども、変に楽しげなところがまたアヤシイです。
 東方は作中、隙間とか境界というワードが多く出てきますが、この曲なんて完全に”狭間曲”じゃないでしょうかね。

♪ ひとりぼっちの常陸行路(Track8)
 随分と遠いところに来てしまったな、と感じさせる哀愁漂う曲。
 周りに人の居ないところに出てしまったら、この曲を聴き直すか口ずさむかしたいところです。

♪ 地蔵だけが知る哀嘆(Track9)
 ゲームの1面道中曲が、CDの最後のほうに収録されていたので、聴く前にはいろいろ想像したものです。
 やや音程を下げ、テンポを落とし、コーラスを入れ、そして途中で変調もする、聴いてよかったと思えるアレンジです。

♪ 秘匿されたフォーシーズンズ(Track10)
 Track3、6(『クレイジーバックダンサーズ』)とこの曲はある意味セットです。
 若干しっとりしたフォーシーズンズだな……と思いきや、やはりサプライズ付き。

 ……ということで、いっぱい語ってみました。
 この音楽CDは、新作が数年に1枚出るかどうかのペースなので次があるのかは誰にもわかりませんが、気長に待ってみようと思います。

[記録日:2018/06/10 | 更新日:2025/12/31]

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