メアリー・アリス いまなんじ?

 こちらも読み返し2回目。
 以前運営していた『はじっこ書房。』でも紹介しているが、この読書記録ページを作る際に記録を移さなかったのはどうしてか。
 とても遅くなったが、ここでも『メアリー・アリス いまなんじ?』というタイトルを打つ。ただ、そのままコピペは酷くつまらないので、感想は新しく綴る。

 メアリー・アリスは、時報サービスで電話を掛けてきた相手に正確な時間を知らせる仕事をしている。ちなみにアリスはアヒルである。
 とにかく元気で、明るく、きびきびとして、そして正しい時刻を確実に相手へ伝える彼女は、利用者からとても人気が高かった。
 そんな彼女が体調不良でダウン。社長は彼女に対して、「大した仕事でもないし、代わりはいるから」と余計なことを言って、アリスを帰らせた。
 ……が、いざアリスの代わりをいろんな社員にさせるも上手くいかず、利用者の不満は募るばかり。

 当時(2019年)の私の感想は以下の通り。
・ちょっとした気遣いの大切さ。
・偉い人の余計な一言が社員にはストレスになりがち(逆に士気を高める特効薬にも)。
・実際にやってみて初めてわかる、その人とその仕事の重要性。
・この作品は子ども向けでなく社会人向け。
・人によっては「細かいこと」は「細かいこと」ではなく、細かいことを気にしなければいけない仕事がたくさんある。そして会社にもそういった細かいことを気にしてもらう人が必ず必要。

 上記に加えて、昨今の出来事と少し絡める。

 AI化が進んでいき、今後はより一層、こうした電話サービスや事務の仕事が消えていくとは考えている。
 ちなみに今、私が必至にやっている仕事は事務系で交渉事のワークも加わるが、こういったものもいくらでもAI化できるだろうと思う。要するに、やがて私も会社から必要なくなるものだと思って今を生きている。
 しかし果たして、簡単にAI化したり機械化したり、あるいはその場凌ぎの代役を立てたりして、会社として良い仕事として成り立つのか、お客さんに高品質な製品やサービスを提供できるかについては、よく吟味する必要があるだろう。
 費用対コストの計算やコストカットは確かに考えなければならない大事なファクターだが、何か最近、そればかりが注目の的になっている気がするのよね。それでいいのかね。正直怖いね。
 また、「人材が居ないからAI化する」のは仕方ないだろうし、もはや止められないだろう。でも、人(マニュアル)でできるようにも準備しておかなければならない。自動化やシシテム化、時たまにトラブルなどで現場を泣かせに来ることが多いから。
 アリスの上司のように、「大した仕事でもないし、代わりはいるから」みたいに言って済まないところも、実に恐ろしい。

 この作品は……まあさすがにここまで考えるためのものではないかもしれないが、自分の今と、自分の周辺のことと照らし合わせて読めたなら、もっといろんな発見に繋がる可能性を秘めた1冊だと思う。
 そう考えると、やはりどうしたって大人向けの絵本ということになるのだが。いや、多分作者もそう思って作られたのではないか。そういうことにしておこうか、うん。

メアリー・アリス いまなんじ?
(著)ジェフリー・アレン
(絵) ジェームズ・マーシャル
(訳) 小沢 正
童話館出版
1995年2月発行
<絵本>

[記録日:2026/07/29 | 更新日:2026/08/01】

←前へ | 次へ→
1つ前のページへ最初のページへページの先頭へ