サラダ記念日 俵万智歌集
読み返し2回目。数年前に一度読み、その後別の方にお譲りした。そして今回、別のルートでまた手元にやってきた。
本は、亡くなった祖父の本棚に入っていた。その周りには地元の武将や植物に関する書籍が大半を占める中、『サラダ記念日』という文字はやはりどうしたって目を引く。
後で聞いた話だと、祖父の持ち物ではなく、母親が興味本位で買った本らしい。それがずっとジャンル違いの棚の中に収まっているのは、何とも祖父らしい。
俵 万智さんの歌集は、今でも国語や現代文の教科書に載っているのだろうか。それだけ有名である。
知る人はとても多そうなので、今回は出しゃばらないこととしたい。ただ、1作品だけ紹介込みで挙げさせて欲しい。
潮風に君のにおいがふいに舞う 抱き寄せられて貝殻になる
(P.31)
個人的に1番気に入っている歌である。貝になっても可愛いかもしれないが、貝殻のほうがより海と夏を強くイメージできる。
久々に読み返して始めて読んだ時と同じことを考えた。果たして、どのような経験を積めば、こうした一歌、一文が書けるのか。
『サラダ記念日』は、その大半を恋愛の歌、男性を想う女性の歌が占めているが、個人的には旅や日常の歌のほうが自分には合っていた。
というより、もしも真似するならば旅や日常の歌で、こういった恋愛の歌なんか到底書けないし歌えない。だからこそ、俵さんの当時の体験や経験が気になるのだ。
奥深き魅力のある三十一音の揃った、色の褪せない歌集は今もそのままである。
サラダ記念日 俵万智歌集
俵 万智
河出書房新社
1987年5月発行
<単行本>
[記録日:2026/07/27 | 更新日:2026/07/29】