カノジョの妹とキスをした。
雑読家を自称しているわけでも目指しているわけでもないが、「レンジが広い」とはたまに言われる。好き勝手読んでいるだけです。
それにしても、緑美しい作品を読んで自然を堪能した後に、こんな危なっかしいタイトルを挙げることになるとは。
読了2回目。
シリーズの途中まで読んでいて、そこで放置していまっていたので、復習と助走のために読み返すことに。
タイトルで察することができるかもしれないが、背徳恋愛モノ。公式は純愛ラブコメとして推しているが、受け取り方は人それぞれ。
ただ、改めて最後まで読めば、ああなるほど……純愛で間違っていないかもと感想が逆転した。
細かいところは省略するが、言動や思想はだいぶ危険なところを走っているものの、ヒロイン(妹のほう)視線から改めて考えみたら、この純愛は致し方ない点もある。
母親譲りの愛情表現、恋愛思想……そうしたものも影響してか、危険とはわかりつつ一歩踏み出してしまうシーンは、甘いというより「苦しい」と表現したほうがしっくりとくる。しかし嘘偽りの恋ではないのもどうやら事実みたいなので、否定するものでも、できるものでもない。
つまり、この愛は正真正銘、茨の道。最後は道自体がなくなっているかもしれない危うさ。そんなことが読んだ人誰にでもひしひしと伝わるぐらいの背徳“純愛”モノ。わかりやすいという意味においても、個人的には好きな幕開けである。
最近のライトノベルは、背徳感をくすぐる(こんな言葉ある?)ものも多くなってきたように見える。
私もこのシリーズのラストはまだ知らない。が、せっかく背徳モノを読むのであれば、それに至る「説得力」を存分にアピールして欲しいと思う。ただ何となく「ヤバイことになりそうだ」ではいけないし、面白くもない。それではただの事件だ。
この作品には、ヒロイン自身が語る強い説得力があった。なので今回、ここで紹介することに決めた。
カノジョの妹とキスをした。
(著)海空 りく
(絵)さばみぞれ
SBクリエイティブ
2020年4月発行
[記録日:2025/05/05 | 更新日:2025/05/17]