冬季限定ボンボンショコラ事件
遂に冬の物語。
『春期限定いちごタルト事件』が2004年創刊なので、そうか、もう20年以上の追っかけになるのか。
推理小説なので、こんな場所でも深く書き過ぎると誰かが刺しに来るかもしれないので、簡単に、穏便に。
恐れていたことが起こった。小鳩君が事件の被害者に!
(病院のベッドは安楽椅子とは程遠いが)安楽椅子探偵となってしまった小鳩君。
今回と事件と同じように車に撥ねられ怪我をした、中学生時代のクラスメイトのことを考えながら謎を解……こうにも、痛む体にままならない病院生活で、さすがに悪戦苦闘気味の様子。
一方で、どうにも小佐内さんとはすれ違ってばかりだが、何故か遠巻きにヒントをくれる。それは、今回の事件と中学生時代の事件とを結びつけるもので……。
日常ミステリもここまでくると非日常。
今回は意図的に隠したような謎が多いため、それが逆にヒントとなって、こんな私でも早い段階で犯人はわかった(これ、珍しいことです)。
でも、あっと驚くことが数回あって、これは小鳩&小佐内ペアならではのアクションだなと思いながら楽しませてもらった。
章題の付け方も印象的。このシリーズは面白い章題に出くわす機会が多いのだが、今回もバリエーション豊富。
ただ、最後の章題は、考えさせられるものである。以前から小鳩君の過去の話は数度出てきたが、こういう形で伏線回収するのかと少しドキリとした。
さて、このシリーズはさらに一歩進むのか、これで終わりなのか。
無事、春夏秋冬をぐるっと一周できてよかったが、少し未来予想図が変わってしまった小鳩君と、少し本音を見せてくれた小佐内さん2人の目指す小市民の星を、さらに追いかけたいのだけどなぁ。
冬季限定ボンボンショコラ事件
(著)米澤 穂信
(絵)片山 若子
東京創元社
2024年4月発行
[記録日:2025/06/08 | 更新日:2025/06/14]